ページ

2010年5月31日月曜日

人間市場 鳩市


いささか鳩について知識がある故記す。

少年の頃、長兄次兄から引き継いで伝書鳩を数十羽飼っていた。当時鳩はお金で売り買いするので学校から厳しく買わない様にと言われていた。しかし引き継いだ可愛い鳩達を処分する事は出来ない。黒い純黒、白い純白、茶色い栗ゴマ、それに白い羽根が混じっているのを差しといた。

黒い点々があるのを灰ゴマ、灰色に二本の線が入っているのを二引きと云った。
鳩は可愛い。遠くから放鳩籠に入れて飛ばすとちゃんと帰って来る青森や大島からでも。もっともレースの途中で鷹や鳶に殺られて帰って来ないのが多い。

逃げた女房にゃ未練はないが帰って来ない鳩は悲しいと鳩の先輩が言っていた。
高い柱に赤い旗を立て一日中帰りを待つ、そんな中で帰って来るのがいるとウレシ泣きが入る。沢山エサをやるとダメなので一粒一粒トウモロコシやアワやヒエをやる。水はスポイトで入れてやる。グルップグルップと首を膨らませ喜びを表す。人が二人寝れる程の大きな鳩小屋の中で一緒に過ごす。鳩のフンの臭いはキツイが我慢出来る。

伝書鳩はドイツとベルギーが断トツである。メスならマレーネデートリッヒとエリザベステーラーか、オスならジュラールフリップかウイリアムホールデンの様である。

私は帰ってきた鳩たちを使わなくなった風呂場で癒してやる。
五月二十八日我が国を代表する鳩がみんなにコケにされながらオバマと電話会議するという。それに先立ち全国知事会があった。馬鹿、阿呆はともかく欠席するのは言語道断である。徳川時代なら間違いなく謀反の恐れ有りとお家断絶だろう。

ある有名知事は基本の案がないのにお願いがナンセンスと言った、然りである。
ある知事は私の処は既に基地だらけ、一体どんなストラテジー(戦略)、タクティクス(戦術)、ビジョン(目的)があるのか判らない。この人に国を任せられるのかもまた然りであった。只一人大阪の橋下知事は、私たちは安全のただ乗りをしている、要望があれば対処したい。このひと言で橋下徹は小結から一気に大関に上がった。

一流の伝書鳩は決して電線とか屋根とかに止まらず飛んで来て一気にパタンコに入って来る。土鳩は公園や寺でエサを欲しがり電線に止まり、屋根に止まり、フンを撒き散らし、土に落ちたエサを突っつく。

18人の知事が欠席、これまさしく土鳩である。
一流の鳩は目淵が大きく、嘴が短くとんがり、両足の毛は長く気品に満ちている。あなたの県の知事は土鳩かベルギーかドイツの伝書鳩かを見極めるといい。ちなみに今の私はノンポリ、強いて言えばアナーキストである。ただ一人一人の人物は正確に見極めたいと思っている。

祖父鳩山一郎、父鳩山威一郎、三代に亘って門前の小僧習わぬ経を読んできた。
今の鳩山由紀夫は強かの上にも強かだ。
何しろ謝罪大好き、朝令暮改平気の平佐、言葉の軽さなんてまるで考えていない。君子は豹変するというが、今正に君子になりつつある。アメリカにとって史上最大の難敵という声があるという。日本でそれを知っているのは多分小沢一郎だけかもしれない。

日本人は儒教で育った。謝罪する人間を虐めてはいけないと教えられて来た。いずれ親分というか飼い主のアメリカに向かって足缶にお詫びを入れた伝書鳩が飛び出すだろう。

私の見立てでは誰も勝てない。何故なら追い込み過ぎたらあっさりサヨナラされてしまう。負けるが勝ちが出来たら大政治家。

風水占いに異常に熱心の鳩山幸は間違いなくサゲマンと言える。過日鳩山幸が西太后になって君臨している夢を見た。悪夢だな。

ちなみに伝書鳩はサラブレットと同じいい鳩には正式の血統書が付いている。

2010年5月28日金曜日

人間市場 黒星市

今頃何をスットンキョウな事を言っているのかと思う。

大相撲の親方がある暴力団に便宜を図って維持員席という特別な席を提供して大騒ぎ、大の賭博好きで有名な琴光喜が野球賭博で事情聴取されたとか。もし警察が本気で追い込みをかけたら日本から国技とか言う大相撲は消滅します。

何しろ大相撲界の中で一番の悪が武蔵川と九重親方(元千代の富士)と言われてますから。
はるか昔より興行や日本中の祭り(高市)というものは暴力団や的屋を通さないと杭一本、砂利一個、電気一灯点けられません。
地方に興行に行く場合、大相撲、歌舞伎、ボクシング、コンサート、映画やドラマのロケ何から何まで全て土地の筋に話を付けないと何も出来ません。お祭りの時も良いシャッターチャンスの場所はここは2000円、ここは3000円、あの屋上は5000円とか決められています。一升マスを持って若い衆が一人一人から集金します。

興行を打つ座長や役者、歌手等は毎夜貢ぎ物となるのです。
これは日本国憲法より厳しい掟です。

十両、幕内、三役、大関、横綱、八百長をやっていない相撲取りは一人もいないでしょう。今場所の魁皇と琴欧州の千秋楽の相撲はなんかヒドイ、出来の悪い八百長です。
魁皇に1000勝させておかないとスター不在話題ゼロですから。又、いつ怪我して来場所出られるかどうか判らない。八勝七敗、九勝六敗カド番の常連の魁皇相手に合わせない汚い立ち会いマッタが多い。

ただ出ればいいとは私は思わない。八百長まみれの大関だから(変な人徳があるのかも)、かつて横綱佐田の山は優勝した次の場所にスパッと引退。
栃錦は優勝した次の次の場所にもはやこれまでと引退した。美学があるかどうかだ。朝青龍の時あれだけ大騒ぎさたマスコミも相手が危ういと思って静かなものだ。銀座、赤坂、六本木、博多、名古屋、札幌、ミナミ、北新地、どこへ行っても場所中は親方はじめ相撲取りが男芸者を演っているのだ。又、マスコミという新聞社、テレビ、雑誌社等もズブズブの関係でないといい取材が出来ない。国会議員等は当たり前田のクラッカーである。


普天間の問題がモメている。これを解り易く分析すると、アメリカ ワシントンにアメリカ組の総本部がある、その傘下に50州の枝の組織がある。
日本と韓国は準構成員であり正式な組の総会に出れない。即ちダンベエ(金ヅル)なのだ。政権が変わる総本部に上納金(いろんな法案とか)を持って行く準構成員だから昼飯も出ない安保マフィアと武器マフィアとか麻薬マフィアとかマフィアだらけの群れに放たれた子羊が日本国総理大臣。

少々志を持ってああしたい、こうしたいとか言うと「アホ、バカ、誰と口聞いてんだ。アレとアレとコレとコレをしっかりしろと言われて、じゃあ露、英、仏、中、伊と話があるからな、判ったなふざけた心を起こすんじゃネエ、私もお仲間に入れないですか。」なんて言うと100年早いよなんて言われて二、三時間でハイ帰国となる訳です。暴力団は辺野古の埋め立てのためた砂利、コンクリート、テトラポット、土、残土等の処理、飛行場の工事全てを仕切る。それと安保マフィアとか政治家利権屋達が群がっている。
鳩山総理が勉強すればする程判って来たというのはそういう裏の仕組みが判ったという事なのだ。

世界はユダヤと華僑とマフィアと暴力団が動かしているのである。
えっあの山はあそこが、え、あの山はあそこが、えーここまで、あそこが買い占めているのという状況なのだ。沖縄や徳之島を本気で反対している人は3040%位。後は条件闘争しているのだ。この間の九万人集会(実は一万八千人位)の40%は県外の人。
日当で雇われたと思われる人々もすこぶる多いと現地の人から聞いた。ただ沖縄は特別な県だ。悲惨な歴史を背負って来た。それ故日本中で負担しないとならない地域エゴは認められない。日本人は自分に関係のない事には付和雷同である。
今や一億総軍事評論家となっている。全てのコメンテーター、ニュースキャスターは全くのマッチポンプの視聴率稼ぎである。

ぞうり虫の様で汚いハンチング男やくみつるは暴力団絡みの琴光喜に対してはすこぶる寛容である。杉山邦博や龍虎はブルって出て来ない。
恐くて喋らない(そんな奴なんです)。

高校野球の時、甲子園のスタンド上部はもの凄い数の野球賭博の手配師だらけだ(二千人はいるかも)その事をNHKと朝日新聞が記事にした話は一度も見た事も聞いた事もない。
かつて私の後輩だった何人かが後楽園でダフ屋の元締めや野球賭博の元締めを未だにやっている。客が入らないとこぼしている。彼等にはちゃんと割り当てられた席がある。
競馬然り、競輪然り、競艇然りである。

この地球は遠くから見ると青い地球だが中は真っ黒な星だ。つまり黒星なのだ。

2010年5月27日木曜日

人間市場 川柳市


老婆八人一列に並んでレジに向かう。
あたしゃポテトソーセージグラタンです、ハイ九百八十円です。私は鮭のムニエル、ハイ九百八十円です。ワタスはカニコロッケです、ハイ九百八十円です。あたしゃスパゲッテーカルボナーラ、はい九百八十円です。あたしはえーっと何だっけ。えっーとピザマルゲリータでしょ。そうそのマルゲリーダ、ハイ、マルゲリータですね九百八十円です。私はロールキャベツです、ハイ九百八十円です。わたしや和風ハンバーグ、九百八十円です。わたくしはブイヤベースざんす、ハイ九百八十円です。

これを一人一人レジで支払うのです。財布とかガマ口からお金を出すのに手間取るのです。全て均一のランチメニューなので料金は同じなのです。一万円札で、五千円札で、ジャラジャラ五百円玉+百円玉+十円玉で(五十円玉もあり)、千円札で、ポイントカード押して下さいとか九番目に並んでいた私たちが精算出来る迄、二十八分。いやはや待つ事長し。

昨年までランチは千百円だったのですが、周りがみんな値下げしたのでやむを得ず値下げしたのです。ランチ九百八十円で統一されているのだから食べ終わったらテーブルでそれぞれ九百八十円出し合って誰かが取りまとめてレジに出せば直ぐ支払い済みになるのに、それが出来ないのがこの女性達なのです。

七十代〜八十代の人たち。何となく耳に入って来てしまう話の内容は民謡教室の帰りらしい。どおりでみなさん声が高くて声が通ると思った。いい加減並び疲れたが相手は老婦人達、ジッと我慢をして立ち続けました。

コロッケも少し小さくなったわネ、ハンバーグも少し薄くなったしデザートのアイスは一種類減ったわね、マアこんなご時世だから仕方ないわよネなどとかしましい。
この時私は並びながら最近十年間の川柳の第一位作品を読んでいた。
00年 プロポーズ あの日に帰って 断りたい
01年      ドットコム どこが混むのと 聞く上司
02年      デジカメの エサは何だと 孫に聞く
03年      タバコより 体に悪い 妻のグチ
04年      「課長いる?」 返った答えは いりません
05年      オレオレに 亭主と知りつつ 電話切る
06年      昼食は 妻がセレブで 俺セルフ
07年      脳年齢 年金既に 貰えます
08年      「空気読め!!」 それより部下の 気持ち読め
09年      羞恥心 無くした妻は ポーニョポニョ
こんなのがありました。

「七十歳 オラの村では 青年部」限界集落の人でしょうか。
そうです、老婦人達は青年部なのです。出たものはキレイに食べキレイに飲む。よく喋りよく笑いです。やがて日本は半分位が五十歳以上になるのです。後二十五年位です。

「定年が あったらいいな 主婦業も」なんていうのもありました。「あなただけ 言った妻が あなたどけ」なかなか秀作です。


やっとレジに向かった時、自分も随分と年を食ったなと思いました。若かりし頃ならきっと早くして下さい先を急いでんだよ、オバアチャン達は先を急いでないだろう、悪いけど先に支払いさせてと言っていただろう、そしてこんな反論を受ける。アタシ達だって先を急いでんですよ、もう先がどんどん見えてんですからなんて。
何しろこの頃はオバアチャン達にはとても優しい私なのです。

つい先日オバアチャンはタッチボタンの押し方が判らなく、辻堂から茅ヶ崎まで180円でその切符が買えなくて、スイヤセン倅が180円だと言うのですがややこしく判らないんですよ、宜しくお願いしますと200円渡された。ハイ、オバアチャンこれ20円お釣りだよと言うと何度も頭を下げてきました。自動改札に切符を入れて手を繋いであげて階段降りてホームのベンチに座ってもらいました。
かなり目が悪い感じでオバアチャン電車がホームで止まるまで立って動いたらいけないよ、隣に座っていた若い男にオバアチャン茅ヶ崎まで送ってやってなと言ってそこを離れました。

何か今日は良い事があるかもなと思ったらその日は最悪の日となりました。世の中は甘くはなかったのです。
親孝行したい時には親はなしか。

2010年5月26日水曜日

人間市場 挾土秀平市 その2



飛騨高山に生息する怪物、左官職人のカリスマ挾土秀平氏が遂に東京渋谷にある東急文化村に現れる。

旧作、新作、特別作、これはもうまごう事なき土と水と太陽との合作である。

土の中には無数の生き物の息づかいが生きている。水の中には山の神、石の神、魚の神が宿っている。森羅万象の大交響楽である。


挾土秀平氏は詩人であり、写真家でもある。又優れた建築家でもある。
一度挾土秀平氏と東急文化村のギャラリー前の喫茶店で珈琲を飲んでいた。
挾土氏にこのギャラリーで挾土さんの個展をしたら最高だと思うけどと話した。同席していた東急系の広告代理店の局長さんが「そうねきっと素敵かも」と言った。

その後挾土秀平氏がキリンの「白水」という麦焼酎のイメージキャラクターをしている関係で支援して頂ける事になった。

「土と水陽展」のタイトルは私が付けた。挾土氏がとても気に入ってくれた。
棟方志功の執念と岡本太郎の太陽信仰と土門拳の情念が乗り移ったかの様な芸術作品の数々である。狂気と熱気が細い吊り橋を行ったり来たりする様な世界がそこにある。
碁でいえば天元(北斗七星)に第一打を打ち込む様な宇宙感がそこにある。才能の星が高山の夜空から東急文化村に来たのである。

是非鑑賞して感動して欲しい。





2010年5月25日火曜日

人間市場 薬局市

駅の側に大きな薬局がある。
男の薬剤師二人、女性一人、店員三人だ。
ある日花粉症が酷いのでコンタック600STを買いに行った。
ところが他の何種類ものコンタックはあるが600STはなかった。私は600STが一番効くんだ、他の薬局へ行くよと言うと、サヤエンドウ豆みたいな女性とアサリみたいな顔の男二人の薬剤師がアレやコレやといろいろ説明する。

そのコンタックと600STとはどう違うのと聞くと分厚い本を持ち出して来てアサリ男が何やら説明する。サヤエンドウ女は何種類ものコンタックの裏側を読んでいる。馬鹿バカしい、阿呆らしい。

大ファンの不動裕里選手が二日目首位だったのに六位に終わりムカムカしていた私は、日本ハムファイターズと日本ウインナーファイターズと日本ベーコンファイターズくらいの違いはあんのと言うと二人はキョトンとして言葉を失う。

点鼻薬はどうでしょうと言うからもういいよ、他に行くからと自転車の方に向かう。
ビタミンCは足りてますかと追い打ちするサヤエンドウ、ユンケルを飲むといいかもとアサリ。で私はプッツンと言っても鼻水まみれ、目はしょぼしょぼで迫力は従来の五分の一位。店の前の魚屋さんのオバサンがいいカマス入ってますよと言うから道路を渡ってカマスを見る。いい型ではないか。向かい側にはアサリとサヤエンドウが見つめている。ハックションと二人に向かってした。

ちゃんとプロの仕事をしろよと声を掛けると何をトチ狂ったのか二人で手を振っていた。
そしてサヤエンドウがリポビタンDを持って来て、これどうぞと言うではないか。何だい、こんなの飲んだ事ないよ、ファイト一発って感じじゃないんだから。

広告業界ではあのコマーシャルを「お助け篇」と言うらしい。
あっ、危ない!そこでリポDを飲んででお助けするかららしい。今は、母は山口百恵、父は三浦友和の子が出ているという。昔はもう一種類ただただ無目的に海岸などを走るタイプがあった。これは「やみくも篇」と言ったらしい。あの薬剤師たちもやみくもに薬を勧めているだけだ。

何でサヤエンドウかと言うと服が緑色で体が少しかしいで細い胸の処が少しだけ膨らんで頭のてっぺんの毛が立っていたからだ。
アサリはツルヌルとしおちょぼ口で少し泡を吹いて喋るからだ。

カマス二匹、浅利一袋、赤身の刺身、つぶウニ瓶詰め、いくらと言って魚屋を後にする。ハックションと大きなクシャミが出る。自転車で駅前を走っているとメガネスーパーの店員、タクシーの運転手さんたち、花屋さん、文房具店のおばちゃん、本屋さんの女店員達が手を振ってくれる。

一人私の姿を見て店の中に隠れた親父がいた。ニセブランドを売っている店だ。
一度こっぴどく叱ったからいつも私の姿を見るとサッと店の中に入ってしまう。
そこを通りながら親父ニセものガセものばかり売ってんじゃないよと声を掛けてやる。
その斜め前のスーパーでイチゴとビワを買う。いつも行く鍼とお灸とマッサージの治療院へのお土産だ。

あなた私のトマトをもっと大切に扱って、そんな入れ方したらトマトに傷が付くじゃないとワメク六十歳位のオバサン、バナナやイモやニンジン、ネギ等を買っている。
ここは自分で袋に入れるのが決まりというかルールなのだが、あんたちゃんと一つずつ袋に入れてよ、ちゃんとしなさいよと怒っている。掟破りのオバサンだ。その後に居た私はウルセイババア、早く金払って自分で袋に入れろ、早くどけと怒った。

ババアはアンタなんだい、エラソーな事言うんじゃないよと食って掛かってきた。
ヒッパタイテと思ったが相手はオバサン、私が手伝ってあげっからと言ったら何と全部入れてよと言う。こういうオバサンには先ず勝てない。袋詰めを手伝っている私を見てニセ洋品屋の親父がニタニタしていた。外に出ると亀が顔を隠す様に店の中に入ってしまった。

女店員がホント色々ご迷惑を掛けましたと自転車のところまで来てくれた。
あのババアお店で有名なんじゃないのと聞くと、超有名な方ですと言った。
あのババアは(すいません、つい言ってしまいました)自動車会社の創業者一族の奥さんの妹さんなんですよと言った。
お客としての免許持ってないんじゃないのと私は言った。

2010年5月24日月曜日

人間市場 OUT市

ズタズタ、バラバラ、ポリ袋入れ、投げ捨て、放っぽらかし、金属バットで撲殺、焼き尽くし、等々毎日毎日残忍な殺人事件が起きる。

八百屋お七とか阿部定事件、日本閣殺人事件が起きていた頃はその事件だけでも日本中は大騒ぎだった。今ではちょっとやそっとでは、あっ又かなんてみんな無関心。何が恐いと言って無関心ほど社会にとって恐い事はない。

慈恵医大の医師が看護師さんに手を出し妊娠させ、あろう事か出産時に使う薬を使って流産させた。インタビューに対しても何人も付き合っていたので判らない、何か確かな証拠でもあるんですか、なんてとぼけている。六週目の赤ちゃんは殺されたという事になる。医師は何でも手に入る、又豊富な知識がある、それ故極めて悪質な犯罪であり許し難い。重要事件がまるで解決しない。

過日殺人事件の時効がなくなり良かったと思う。
又迷宮入りの事件(コールドケース)も継続で出来る様に法が改正された。許されざる者は逃さずだが最近の日本の警察の検挙率は低下の一途だ。
中国、韓国、タイ、ベトナム、フィリピンやイラン、イラク、アフガン、ボリビア、コロンビア、ロシア等様々な人種がどんどん日本に入って来ている、事件を起こして直ぐ帰国してしまうともうみんなお蔵入りとなってしまう。

何しろ日本円で五千円か一万円で平気で人を殺す連中が新大久保周辺にゴッソリとたむろしている。危ない地域だ。街に出るとヤクザ者の姿はあまり目立たなくマフィア化してしまい組のバッジも大幹部以外は付ける事が出来ない。下っ端が起こした事件でもトップに責任があると判断されるからだ。

金筋のヤクザは殺してもそれなりの美学があるが、アジア、中東、中南米や堅気が起こす事件は一発で決めないでそこまでやるかという殺し方である。いきなり小学校の生徒を刺すという通り魔が引きこもりの女であったりすると孫達の命が心配である。教師は生徒に手を出してHな事をし、その上で命にまで手を出す。

日本人の精神が完全に痛んで来てしまっている。
昔は人の噂も七十五日と言ったが今や人の噂も七十五時間である。自分たちの生活のために目一杯となっているのだ。例え、目の前に息も絶え絶えの人が倒れていても手を差し出してあげる人は少ない。言葉を交わさない隣人同士も不気味なものだ。突然子供の声がうるせいよとか、犬がうるさいとか言ってギャーギャー騒ぐ浪人生達、人の家の玄関の前で子供を遊ばせるなというリタイヤした怒るオジサン達。

国中、街中、町中、村中がイライラ、ギスギスしている。日本人は優しい民であったはずなのだが心身が荒廃してしまった。
キレるかグレるブータレる人々、閉じこもる若者達、子供達、どうしていいか判らない大人たち、父親たち母親たち教師たち信じるべきものを失うと人は宗教に走ってしまう。この宗教が又恐い恐い世界となり人間を洗脳してしまう。

村上春樹は184でその一部分を書いていたがまるで取材不足、単なる風俗小説でしかなかった。1,2,3で何を書きたかったのか、その主題が全く判らなかった。文章が冗長であり心に染みる言葉は一行も無かった。物語のラストは出来の悪い恋愛小説であった。読んだ自分が悪かったと猛省した。

きっと作者は大恋愛を経験してなく、暴力の経験もない人であったのだろうと思う。
この頃の事件の特長は女性が事件に積極的に参加しているという事だ。特に恐妻は文字通り恐い。
結婚式ならぬ離婚式が行われているという、新郎新婦でなく旧郎旧婦が指輪を外しハンマーで結婚指輪を壊すという。出席者からは拍手の渦、フラワーシャワーとなる。

しかしいずれ殺し合うよりはいいのかもしれない。
世のご主人達、奥方が包丁を持って料理している最中に、ああだこうだ、あれはどうしたこれはこうしたかなんてグダグダ言わない事だ。
出来上がった料理は旨い、旨いと誉めまくる事だ。そうしないと自分が料理されてブツ切りにされポリ袋に入れ生ゴミとして捨てられる。
OUT」とい小説は主婦達がこんな事をする本だった。文字通り結婚は人生の墓場となるのである。


2010年5月21日金曜日

人間市場 家庭訪問市


明日先生が家庭訪問しますからね、なんて言われるとソワソワしたものだ。
先生が家に来て親と話す。又どんな生活環境の中で育っているか先生は家庭を見る。

汚れた玄関、入り口に店屋物の丼ぶりが食べたまま出ている。
家の中は掃除されてなく、先生が来るというので慌てて部屋の隅へ集められた洗濯物の山。何もかも慌てた姿。お母さんは片一方のまつ毛はカールしたが片一方は忘れていて、お父さんはパジャマの上からジャンパーを着たりしている。そんな風景や姿を見ながらそれでもこの家庭はほのぼのしていると感じたりする。

先生、ウチのガキが色々ご迷惑をお掛けしやすって申し訳ない。何しろあたしら夫婦は細々した事は言わないで放ったらかしているものですからがさつな奴でお手を掛けやす。
あんた、あたしがもうちょっと母親らしくしてあげられりゃよかったんだよ。
先生、この間算数のテストが15点だったんでビックリしてドヤしつけてやったんですよ、そしたらウチの奴はいいじゃない、後八十五点伸び代があるんだから、まだ小学校三年生これからよなんて頭を撫でてやがんだから。

先生、どうぞお茶を、どうぞ茶菓子をなんて夫婦でかしこまっている。
先生の家庭訪問はとても意義深い事だったのです。この頃は玄関訪問になってしまったとか、学校側からも中には入らず玄関先にする様指示が出ているという。

家の中を見られたくない、パートやアルバイトで両親が揃う事がない。ま、早い話が先生の方は面倒で親の方は見られたくないし、やはり面倒で嫌だという事なのだ。良くも悪くも家庭訪問は子供の家庭環境を知る大切なイベントだった。


この頃子供達に八つ当たりする悲惨な事件が毎日の様に起きる。言い訳する親、反省しない教師達、学校は事件をひた隠す。玄関先の立ち話ではなくちゃんとした家庭訪問を復活させて欲しい。

私は父が早くに亡くなり、母は朝から晩まで働いていた。それでも家庭訪問の日は仕事を早く切り上げて帰ってくれていた。先生と談笑している姿はテストで五十点とるより嬉しかったものだ。教育の原点は家庭訪問に有りと思う。

授業参観というのがあるがあれは親の見栄の発表会、前日パーマに行き当日入念に顔の手入れをし、直しても直してもよくならない自分の顔にガッカリする。
香水を振りまき、とっておきのアクセサリーを着け、肉のたっぷりついた脇腹をぎゅうぎゅうに絞り、あーダメだとため息をつく。滅多に履かないハイヒールは足がむくんで入らない。靴べらで何とかして押し込む。とっておきのブランドバッグを持っていざ出発となる。
子供達の教室の後方は異様な臭いとなる。化粧と香水とでだ。

なんだか臭いよ先生、なんていう正直な生徒がいると親達は顔を赤らめる。バーバリー、ラルフローレン、アルマーニ、コシノジュンコ、エルメス、ベルサーチ、23区とかブランド大会となる。ユニクロは一人もいない。


日本で一番美しい有名人のアンケート結果があった。

男性部門
.福山雅治、2.GACKT、3.水嶋ヒロ、4.木村拓哉、5.山下智久、6.早乙女太一、7.三浦春馬、8.玉木宏、9.hyde、10.松本潤
女性部門
.小雪、2.吉永小百合、3.北川景子、4.仲間由紀恵、5.松嶋菜々子、6.黒木瞳、7.藤原紀香、8.黒木メイサ、9.天海祐希、10.鈴木京香
でした。

お父さん、お母さんきっとどこかがこの一人の中に似ている筈です。いやもっと美しい日本人かもしれません。芸能人は見た目が勝負ですから、いかに自分をよく見るかに全てをかけるのです。

一度授業参観は全員スッピン、着ているものは隣の晩ご飯と同じ有りのままで、この方が本当の親の参観日だと思うのです。女の先生もスッピンがいいでしょう。
子供達もこの方がありのままの姿を出せる筈です。教育の基本は正直にです。

2010年5月20日木曜日

人間市場 謝罪市


神武以来の天才現るといわれたのが将棋の加藤一二三名人、現九段(七十歳)である。
史上初中学生で四段プロ棋士となった。名人、十段、王位、棋王、王将などのタイトルを獲り、2001年通算千二百勝を達成。今なお現役の大棋士である。

この人は敬虔なクリスチャンで有名であり、又いろんな逸話の持ち主でもある。
この人とは対局したくないNo.1かもしれない。

まず何回も咳き込む事から始まる。騒音がやたらと大きい。
指した駒から手を中々離さない。ネクタイの結び方が片一方がやたら長い。飲んでいるお茶にネクタイが沈んでいても判らない。時々将棋盤の上に覆い被さってずっと読む。それから相手の後に立って自陣の駒を見る。ウォホンウォホンと咳き込む。これだけでも相手は嫌になって来る。一分将棋の天才で秒読みになると無類の強さを発揮する。一手打っていきなり大長考二時間三時間なんてザラである。

六時間位長考されると相手は隣の部屋へ行って本を読んだり気晴らしにテレビを見たりして時間を潰す。ずっと天才と向き合っていると酸欠になってしまうかもしれない。
こういう人は間違いなく猫科か蛇科である。
天才はクリスチャンであるだけに弱い生き物に慈悲の心を示す。ただ少し度を超してしまう。野良猫が可哀相とエサをあげ始めてた。一匹、二匹、三匹とドンドン野良猫は増えていく。野良猫達は近所の大迷惑となる。沢山の猫がウンコやションベンをする。車の上に乗ってはひっかく。そこいら中異臭だらけとなる。しかし、天才はもの凄い早口で自分がしている事は正しいと主張する。

どうしたらいい手があるかという事はこの場合天才は考えない。
何しろ自分のやっている手順は間違いないと思っているからだ。相手の事は全く考えないクリスチャンなのだ。住民達は名人に敬意を表して我慢していたが遂に法的処置を求めた。そして名人に対しエサは駄目、罰金200万円を課した。天才は納得がいかずそれなら自分の敷地内でエサをやると怒っていた。

こういう方が世の中にいるんです。
昔は野球のボールが人の家に入ったりすると、すいませんボール取らせて下さいと言ってから子供が打ったボールを取らせてもらったものだ。私の家の前は公園であり、よくボールが入ってくる。子供達は礼儀正しくボールを取りに来る。

ある日ドンという音がした。あっボールだなと思った。ところが何の声もしない隣の家の猫でも飛び乗ったかと思っていた、そして小さな池の鯉にエサをあげようと庭に出ると一人の男が居るではないか。オイ、何やってんだ、五十歳位の男はボール探してんだよと言うではないか。人の家に入るときはちゃんと入ると言って入れと言うと、仕方ないだろ子供が打ったボールなんだからと言う。眼鏡を掛けた小さな男だった。こういうのを家宅侵入というんだよと怒鳴った。大人のくせにちゃんとルールを守れっていうんだよ。大声にビックリしたのか、すいませんでしたと謝った。

近所の家に田舎から遊びに来ているとの事を後で知った。
でその後小さな庭の中にあるかもしれない野球のボールを二人で探した。中々見つからなかったが梅の木の葉の中に白いボールがあった。アッあそこにあったと言うと、男はあったあったと喜んだ。すいません、取らせて下さいと言うからいいよと言った。すると急にウワァーと言って梅の木から離れた。大きな毛虫がいたのだ。毛虫大嫌いとビックリしていた。田舎には多い筈なのに。殺虫剤を梅の木にかけながらすいませんでしたねと私が謝っていた。何だか変な時間だった。

加藤一二三先生、謝る時は謝る方がいいですよ。将棋だって負けた時は頭を下げて参りましたと言うんだから。名前は一二三(ヒフミ)です。
一の二の三で行きましょう。ハイ、大きな声で頭を下げて、スイマセンでした。


2010年5月19日水曜日

人間市場 嘘市

嘘はドロボーの始まりと子供の頃より厳しく言われました。
嘘ついたら針千本飲ますとも言われました。敬愛する開高健先生は友人と釣りの話をする時は物差しを持つべからずとおっしゃっています。つまり逃げた魚は大きく話すものだという事でしょうか。

先日、沖縄で九万人大会がありました。
そもそも三万人位しか入れない場所といいます。ある大手警備会社が空中撮影で細密にカウントしたところ二万人にも満たない数字が出ました。昔から主催者発表と警察発表はヒト桁くらい違うものなのです。主催者は車に乗っている人たちもきっと会場に向かっていただろうと推察してカウントしていたというのです。
お祭りに参加している人もお祭りが終わったらきっと会場に向かっただろうとカウントした結果なのです。大嘘付きのマスコミです。

今や大新聞は嘘付き会社になりました。
牛肉を焼いたらステーキになる、豚肉を焼いたらソテー又はヤキトン、焼き豚になる。
中華料理で子豚の丸焼きを見た事があるが、牛の丸焼き、豚の丸焼きそれも9万頭以上となると想像がつかない。「口蹄疫」の影響からだ。その中にエリート種牛という素晴らしい精液を出す牛が数頭いるらしい。この牛さえいれば数年後に又いい牛をつくれる。

豚が言った、トンでもねえめにあったぜと豚死。牛が言った、モーレツに熱いもう駄目だと牛死。いずれ本当の正確な数字が出る。

沖縄の代表や徳之島の代表者たちが実は何年も前から米軍基地の下打合わせをしていたという。みんなしらばっくれて嘘ばかり言い、少しでもいい条件を取り付けようとする。
全ては日本国中の問題である事を国民が理解すればきっといい方向に行く。かつて内閣官房費をたっぷり貰っていた、三宅久之や俵孝太郎や中村慶一郎たち政治評論家や大マスコミの論説委員や解説委員も同じ穴のムジナだ。
雑誌社の方があまり貰っていないだけ、正しい記事を書いている。検察も警察も大マスコミも嘘の三角形を形成している恐い国だ。いつ自分も何かの犯人にされてしまうかもしれない。

アナタこれ何んなのと携帯とか、メールをチェックされる可愛い若い女性の声。ピチピチとした若い裸体がベッドでVサインをしている。違う違う、何で人のものを勝手に見ているんだと怒る若い教師、写っているのは何人かの教え子だ。
サイテー、サイアク、エロキチ、ヘンタイ等あらん限りの罵声を浴びる。将来写真家になりたいって言うから撮影の仕方を教えていたんだよ、僕は写真部をやっているのだからなんて次から次に嘘を連発する。

若妻は校長と教頭にそれを見せると意外にも冷静。
マアマア奥さんそんなに怒らないでください。これはちょっと行き過ぎちゃったけど学科の中の一つなんですよ。それ以外のコトは何もありませんからご心配なく。冗談じゃないですよ、こんな事教師が生徒にしたら変態行為です。私は離婚します。教育委員会と警察に言いますからね。一体全体この学校は何をやっているのか判っているのですか、グワアーと泣き、恥ずかしい、もう生きて行けない、子供に何と言っていいか判らない。ご近所に顔を合わせられない、死にます絶対、ウアーと泣き崩れる。

奥さん暫く私たちに時間を下さい、責任を持って秘密を守りますから。ご主人にいつも通り学校に出てもらって下さい。何事もなかった様に、奥さん冷静に、何事もなかったんですから。ちょっとした行き過ぎだけなんですから。

その日の夜、ある住宅から火が出た。道が狭く消防車が入れない。消火作業が遅れて全焼してしまった。中から二つの焼死体が出た。その後色んな噂が飛び交った。写っていた女の子は50人とか100人とか、校長も教頭も楽しんでいたとか、警察に密告のファックスや名無しの手紙が何通も来た。しかし警察は全く無関心であった。消防署の報告書は天ぷら油からの出火であったと提出された。何もかも嘘ばかりである、事実は逃げ延びた一匹の猫が知っていた。
人間はあまりに恐いと猫は隣の家の猫に語った。

2010年5月18日火曜日

人間市場 料理市


前菜。
うるい赤貝、長芋黄味焼、稚鮎、あやめ茶巾、姫鮑、他一種。
椀。
鰻葛打ち、白梅肉、青汁仕立て、葱。
造り。
本まぐろ、かつお、針魚、甘海老、平目、うに。
煮物。
鯛の子、松前巻、筍、里芋、南瓜、菜の花。
焼き物。
和牛(松阪牛)角網焼き、特選わさび。
口替り。
南紅梅密煮、かち割氷。
揚げ物。
揚げ出し天ぷら、天出し、活海老、魚二種、旬野菜、酢物、鯉の洗い、辛し酢味噌。
御食事。
五貫握り寿司、新生姜、浅利味噌汁。
水草子。
静岡県産マスクメロン。
甘味。
かしわ餅、杏。以上。

過日山の上ホテルで行われた池波正太郎没後二十年の偲ぶ会のメニュー一覧である。
五十人だけ厳選されたという。主催者は未亡人である池波豊子さんであった。私はその五十人の中の一人から教わったのである。

池波正太郎といえば山の上ホテル
特に朝食と天ぷらはお気に入りだったそうだ。
銀座近藤、赤坂楽亭、京橋深町。天ぷらの名店は山の上ホテル出身者が多い。

文士にとって山の上ホテルは自宅の様な処なのだ。実に品のいいホテルで私の様な柄の悪いアロハな男には縁遠い。それにしても凄いメニューだ。懐石だろうからみんなちょっとずつなのだろうと思うが料理人の見事さが目に浮かぶ。
食の鬼が選んだ場所なのだから誰一人として文句はなしであったであろう。
食の鬼は十年、二十年先に何を食べるかを考えていたともいう。食は男を磨き、人間を鍛え、人生の魂だと書かれていた。男と女の色事と食が書ける様になれば物書きとして一人前だといわれた。 

食卓の乱れが家庭不和、家族の断絶とも言う人がいる。コンビニ弁当、ほっかほっか亭、冷凍食品、盛り付けに気を遣わない儚い食事、イワシ一本だってチョット気の利いたお皿に載せればイイ食事になる。コロッケ一個だって同じだ。

美意識のない食事に人は集まらない。亭主は家に帰らない。子供達は外食を好む事になる。
一度ある家に行って食事を出された。なんとお刺身も煮物も焼き魚もスーパーで買って来たそのままの状態で出て来た。パックの中の鯖の味噌煮が酷く悲しく見えた。パックの中の筑前煮が冷たかった。パックの中のマグロがルイベの様になっていた。まさかご飯はサトウのご飯ではと思ったが冷凍焼きおにぎりだった。チンして出してくれた。

ああこの二人は長く続かないなと思ったが、やはり予想通り八ヶ月で離婚してしまった。
京都の大きな質屋の娘でありノートルダム出身のお嬢様だった。

二泊の予定、次の日の夜は京都の祇園でスキ焼きをご馳走した。ウチこんな美味しい物初めて食べたと、もりもり食べていた。「とーはんえろう食べはんな」と嫌みたらしく言ったが全く通じなかった。ウチのとーさん、かーさんはえらいケチやねんと言ってお肉の追加をした。凄い高かった。

これから結婚を考えている若者に一つ教えたい。
一度思い焦がれる女性にお弁当を作ってもらうといい。お弁当にはその女性のセンスと育ちが全て現れる。どこから箸を付けていいか判らない様なお弁当であればまず問題ない。当然その場合、その前の日の夜のご飯の残り物であれば最高の女性だ。例え梅干し一個とお新香だけでもセンスが判るものだ。ハートのマークやケチャップで文字など書いてあったりしたら(?)印だ。

世の中に美男美女のカップルというのは本当に少ない。なんであんないい男に、なんであんないい女性にというのがほとんどだ。見てくれだけではずっと一緒にはいられないからだ。それにはなるべく安くてもいい店に連れて行かねばならない。目で憶えさせるのだ。あの服、あの靴、あの鞄、あのアクセサリー、あの化粧品などと言っている相手を選ぶと一生苦労する事間違いなしだ。風邪を引いて休んだ時、おかゆをどう出してくれるかでその女性の価値が判るものだ。仮病でいいから試してごらん。おかゆ、梅干し、塩、お箸、これだけをどう出すかだ。

五分に一組結婚し、五分に一組離婚する。その訳がよく判る。


2010年5月17日月曜日

人間市場 歌舞伎座周辺市



歌舞伎座が遂に終わった。
今は壊されるのをじっと待つ廃屋の親方みたいな姿である。この際にと天津甘栗の屋台の店が店閉まいした。何度も買って食べた。隣のお弁当屋さん「暫」という歌舞伎の演目の名から付けた名店のカレーライスともお別れだ。隣の文明堂でよく珈琲を飲むが何となく店内に元気がない。通り向いの「辨松」というお弁当屋は歌舞伎を観る時よく買った弁当の名品店だ。

あの店もあの店も、あの親父もあのおばちゃんも、みんなしばし元気がない事となる。
「なかむら」という美味しいとんかつ屋がある。入ると黒板があり、団十郎様50とか海老蔵様50とか菊之助様50とか白墨で書いてある。それは何かというとカツサンドの数、楽屋に届ける手筈になっている。公演中はとんでもない数のカツサンドを作っては届けるのだ。カウンターだけ15人位しか入れない店だがとにかく安くて旨い店だ。
その店でとんかつを食べて一幕物の歌舞伎を観るのが好きだ。

知らざあいって聞かせやしょうバンバババンダァーンなんて見栄を切ると、ヨオ、成田屋なんて掛け声がかかる。私はヨオ!カツサンド!なんて声を出しそうになる。

これからは新橋演舞場に移る。
入り口の左斜め前があの有名な料亭「金田中」、ここは高い。おすすめは「金田中」の左斜め前の「くーた」。先日行った時に、隣で四人の女性がお刺身を食べながら大声出して笑い合っていた。一人どこかで見た顔だなと思っていたらすっぴんの松たか子さん(?)だった。

ここは相当に旨い魚の店だ。博多から出店して来た。
旨くて値段がリーズナブルであり、店の応対が凄く気持ちよくて爽やかと、来れば口から口へ評判が広がり今や予約しないと中々入れない店になった。この店を紹介してくれた会社の社長でもちゃんと予約して行ってる。

でもなんだか嬉しい。若い料理人が志を高く持って勝負に出て来てその成果を出している。やっぱり店は評判だ。路地裏の目立たない場所、この頃は成田屋、高麗屋、中村屋などの歌舞伎役者が芝居を終え一杯飲みに寄る。弁天小僧や白浪五人男や弁慶や石川五右衛門や義経たちがジーンズにシャツ一枚でタコやらイカやらアジやら黒サバ(これが抜群)をつまみにワイワイガヤガヤだ。お魚好きの方には是非おすすめだ。

歌舞伎座改修でも一大事なのだから、築地市場を移転する等というとんでもない事は止めて欲しいと思う。市場通りの交差点の角々にあったマグロ寿司だけを食べさせくれた店が今はローソンになっている。それだけでもすっかり風景が変わってしまった。文化は宝である。築地文化は永遠の文化遺産だ。優れた建築家達なら苦もなくいい改修のアイデアを出してくれる筈だ。

「井上」という立ち食いラーメン屋さんがある。行列が出来るが一定のリズムで回転して行く。ここが又、旨い。歌舞伎座一門もここに来て立ちながらラーメンを食べる。人間国宝だって行列に並ぶのだ。チャーシュウの数もメンマの量も平等だ。

おっ、あの立ち食い寿司屋で海老様が海老を食べている、隣の美人は誰だ。そんな光景がアチコチで見られる。私は旅に行くと漁港に行くのが大好きだ。取れたての魚で一杯飲む程旨い話はない。農家に行って採れたての山菜などを食べながら一杯飲むのもいいが、何か勇ましさとか、勢いとか、気合いとかが違う。
えらっしゃいとかハイヨオーとか、チットマッテくれとか日本語が弾けてるからだろう。

そうだ、この頃この国に掛けているのは日本語の弾けだ。
ウソつき、いい訳、サギ、バックレ、シカト、クスブリばっかり。てやんでこのやろう、こうなりゃ矢でも鉄砲でも持って来いってんだ、オイ家の中に引き籠もっているアンチャン、そんなところ潜ってネエでおてんとう様の下に出て来いってんだ。ウジウジしたって始まんないってんだヨオ。

会社行くたくネエなんてゼイタク言ってんじゃネエってんの。
仕事場がありゃ上等だってんだ。会社が嫌なら一人で勝負しろってんだよ。何お客さんが減ったって、だったらどんどん営業しろってんだよ、ベラボーめ。
こんな調子で行くべしだ。