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2015年10月30日金曜日

「ある確率」



ある調査によると、人とヒトが理想の出会いをする確率は0.0000034%だという。
つまり限りなく0(ゼロ)に近い。

理想とは何かが問題なのだがそれについては解説してなかった。
例えば魚が好き同士とか、酒が好き同士とか、肉が好き同士とか、映画が好き同士とか、スポーツが好き同士とか、落語が好き同士とか、金魚が好き同士とか、昆虫が好き同士とか、バクチが好き同士とか、お金が好き同士とか、SEXが好き同士とか…。

ある調査によると好き者同士が一緒になると、別れる確率がグンとUPするらしい。
初めはいいがいつも話題がそのことだけになり、日々の刺激を失うらしい。
隣の芝生がよく見えることになる、魚好きの男は肉好きの女性に関心が向き始め、肉好きの女性は魚好きの男に関心が向く。
好きの反対語は嫌いだからあらゆる現象が起きてしまうらしい。
らしいという位だから確かな根拠はないのだろう。

昨夜こんな話をした。会社は好きだけど社長が嫌いだ。
社長が好きだけど会社は嫌いだ。仕事が好きだけど会社が嫌いだ。
さてみなさんはどうでしょうか。

ある人間が自分の求める会社との出会いもまた、その確率は0.0000034%というから限りなく0(ゼロ)に近い。“人間の長所は欠点があるからだ”という哲人の言葉を話した。会社というのは奇跡的偶然の出会いで成り立っている。夫婦も同じである。

私はずっと嫌いで結構で通して来た。
それ故、人から嫌われているという人でも好きになる。
99%嫌いな奴でも1%好きなところがあればそこと付き合って来た。
私自身99%嫌な奴なのだが1%位は好きになってくれるところはあると想っている、だからこそと付き合ってくれと。

0.0000034%の確率で出会うことができた関係なんてサイコーだ。
私が今日まで生きて来れたのはその出会いのおかげである。
昨日東海道線の列車の中で私の斜め前に憧れの坂田利夫さんが乗っていた。
横には紙バックにPRADAのマーク、黒いソフト帽を被って下を向いていたので全然気が付かなかった。胸が高鳴った。

自称“アホの坂田”さんは品川駅で紙バックを女性が持つような持ち方でそっと静かに降りていった。0.0000034%の出会いだったのだろうか。


2015年10月29日木曜日

「大逆転だ!」




アメリカと中国はいよいよ戦争するんですかね、と行きつけの寿司屋のオヤジさんはいった。する訳ないよと私はいった。

でも南シナ海にアメリカのイージス艦が出張(デバ)ったじゃないすか。
アメリカと中国が戦争したらどっちが勝つと思う、と私はいった。
そりゃアメリカの楽勝でしょうとオヤジさんはいった。なんでと私はいった。
そりゃ大リーグと日本の大学野球以上の差があるじゃないすか、とオヤジさんはいった。

アメリカを動かしているのは昔も今もウォール街、ある投資会社は550兆円もの金を動かしているんだよ、日本の国家予算の5倍以上を一社で動かしているんだ、今中国はアメリカの国債を100兆円以上も持っている。
アメリカの航空機をポンと300機も爆買いする国と戦争する訳ないだろう。
それに航空会社の製造工場を中国に造ってんだから。

そうなんですか、そうなんですよ、大国と大国は常にガタクラ(騒ぎを起こす)ないと金になんないんだよ。
モメ事が起きればそのモメ事を収めるために予算が生まれるからね。
軍事費が増えないと軍事産業は金にならない、だから大国同士はお互いにマッチポンプを繰り返すんだ。

20世紀の戦争はアメリカのウォール街とイギリスのシティの戦争への投資合戦だった。
1914年第一次世界大戦から戦争の世紀が始まった、当時J.P.モルガンなんて時のアメリカ大統領ウィルソンより何倍も力を持っていた。

アメリカの大統領はウォール街のパペット(操り人形)みたいなものである。
オイルマネー、軍産企業、宗教マネーそしてマフィアが全てを握っている。
世界のあちこちでガタクッテ、日本やフィリピンや韓国やオーストラリアなどを参入させる。アメリカの脅しにはからっきし弱い日本がいちばんのダンベエ(金ヅル)にされる。アメリカにNO!がいえない国なんだ。
戦争に消極的なアメリカの大統領は殆ど暗殺された。

で、寿司屋のオヤジさんとの会話に話を戻すと、オヤジさんは中国人は14億人もいますからね、やっぱり人海戦術には勝てませんかねといった。
そうだな勝てないね、と私はいった。

昨日も銀座に爆買いツアーが工事中の松坂屋の前に何台ものバスを連ねて押し寄せていた。一・三・五が中国のキーワードになるらしい。花札なら足して九(カブ)だからいちばん強い数字だ。
第一三次五カ年計画の数字、今日中国政府が発表するはずだ。
イチ、サン、ゴーと。

私は友人とお刺身を分け合い、鉄火巻きとカッパ巻きを分け合った。
ヤクルトが負けて王手をかけられた。チクショウ憎っきソフトバンクめ、ガンバレヤクルトだ。あと三勝すりゃいんだ、福岡で大逆転だ。選手諸君、博多名物豚骨ラーメンで乾杯だ!

2015年10月28日水曜日

「ガンバレ男よ!」




調剤薬局で薬が出るのを待っていた。
大型のTVがある、そのTVである男性(五十代とか)の悩み事相談をやっていた。
昨日の朝のことである。

相談に応えるのは、ゲイが売りの芸人、女性心理学者、男性お笑い芸人。
女性アナが相談事を白板にマジックで書く。

司会の男「相談事は?」
音声の男「私は五十代なのですが、会社の若い男に心を奪われてしまっているのです」
司会「それは肉体的にですか、それとも心理的にですか」
男「えー、よく分からないんです。でもいつも頭の中から離れないのです」
司会「あのー、その若い人とはいわゆる◯△関係はあるのですか」
男「それはないのです」
ゲイの芸人「あなたは小さい頃から男子に関心があったの」
男「それはないです」
女性心理学者「ご結婚されているんですよね、お子さんもいらっしゃる、夫婦関係というかSEXはあるのですか」
男「ハイ、あります」
女性心理学者「どれ位?」
男「月に3回位、でもその時ずっと若い男のことを考えてしまうのです」
司会「相談事は奥さんにカミングアウトしてその若い人と付き合いたいって事ですよね」
男「えーまあ、そうなんですが年頃の娘が二人いるし」
ゲイの芸人「ダメ、絶対ダメよ、そんなことしたら地獄を見るわよ、あなたが一方的に想っているだけで相手はそんな気がないんじゃない」
男「でも何となくいつも近づいてくるんです」
男性お笑い芸人「未だ何もしてないのにカミングアウトするって、何でなの未だアウトではなくセーフじゃない」
司会「その若い男って肉体的に美しいとか、見た目が格好いいのですか」
男「えーまあいい男です」
ゲイの芸人「この世界に入ってしまったらあなた、大変よ人生失っちゃうわよ、ホントよ」

とそこでお薬用意出来ましたよ、これお薬手帳です、いらないよ家に何冊もあるから。
朝からバカバカしい相談、本当かよと思った。
白板には黒いマジック文字が女子アナの手でビッシリと書かれていた(やりとりをみんな書いて行く)。

どうなってんのかねまったくと思いながら外の自販機で缶コーヒーを買った。
自販機には、タモリとトミー・リー・ジョーンズが仲良く並んでいた。
「ブエノスアイレス」という映画を思い出した。幸い私の回りにはその道の人はいない。

晩婚で子供をつくらない社会、男が女性にアタックしない社会、その結果は嬢王蜂が支配する蜂の世界のようになるという。
ガンバレ男よ!

2015年10月27日火曜日

「行きづらい映画館」






「シキテンを張る」「シキテンを切る」ともいう、ある社会の用語だ。
その意味は、「見張る」ということ。
オイちょっとシキテンを切ってろとか、誰かが来るかもしれねぇからしっかりシキテンを張っておけと使われる。

私たちは今そこいら中でシキテンを切られている。
監視カメラという機器に。私たちは一歩家から出ると見張られるのだ。
歩いていても、走っていても、その途中でトイレに入っても、レストランやそば屋さんの中でも、ありとあらゆる所で。

東京渋谷宇田川町は有数のラブホテル街だ。
その真ん中にユーロスペースという名作を上映する映画館がある。
当然そこいら中に監視カメラがあり、映画を観に行っても、もしかして本当はラブホテルへと疑われる。
ユーロスペースに映画を観に行く時は、誰かにハッキリと何の映画を観に行く、一人なら一人でと、二人なら誰と、何時何分の回に観ると高らかに宣言しておく必要がある。

私◯△×□は本日ユーロスペースに一人で行きます。
名作◯△を◯時△分から観て◯時△分に終了、その後宇田川町を抜けて東急文化村入り口方面に向かいます。途中キンキンギラギラのラブホのネオンがありますが私には全く関係ありません。映画の途中に抜け出してシンネコ(内緒)でラブホに入ったりしません。

私の全ては監視カメラがシキテンを切ってくれています。左を見ても、右を見ても、上からも、斜めからも、下からも見張ってくれている。
ユーロスペースは主に単館上映観たい映画が多いのだがそんなわけで近づけないのだ。
いい映画やってんだけどなぁ〜。

刑務所から無実を訴えていた夫婦が二十年収監されていた。
大阪高裁が検察の異議を棄却した。
放火殺人で無期懲役を受けていた夫婦が釈放された。
日本では一度高裁で刑が確定した者が再審に持ち込めるのは、針の穴にラクダを通すほど難しいとされていた。
モノは考えようである。
今では監視カメラのおかげで無実を証明できることになったりしている。

「猫は知っていた」確かそんな映画があった。
家の中の出来事は猫はしっかりシキテンを張って見ている。
猫は決して騙せない。
猫派が犬派をついに追い越したらしい。
その主な原因は散歩が大変だから。そういう事なのです。

知り合いに警察関係の人がいる。
一度捕まえた人間は何が何でも犯人にする、それが警察です。
怖ろしい人間たちなんですよといった。くれぐれもタクシーに乗ったら領収書を、映画を観たら半券を、アリバイ証明のためにとアドバイスされたのを思い出した。