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2016年12月6日火曜日

「クレーマーとクレーム」




私が勤める赤坂にある会社は溜池交差点のすぐ側にある。
ビルはかつて田崎真珠が入っていた。
そのビルの隣の一階はクリーニングで有名な「白洋舎」だ。

昨日会社の顧問をお願いしている方と銀座へ行くために、空車のタクシーが来るのを待っていた。
「きふ人プロジェクト」で大変お世話になった、某大手新聞社の社会部の方と会うために。

空車はすぐに来たが、乗り込む時ふと白洋舎の店内に目がいった。
老婦人、若い女性、それよりちょっと歳のいった女性の三人がカウンターに洗濯物を出していた。一人はビニールに入った仕上がりの物を受け取っていた。
一瞬だったので詳細は分からない。

乗り込んで行き先を告げて顧問の方と話をする間に、知人の奥さんのことを思い出した。その人は超有名ホテルのランドリーに数年勤めていた。
泊り客は勿論、クリーニングだけを頼みに来る人も多い。
奥方や奥様、ご夫人、オーナーママやトップホステスさん、文化人に著名人、プロスポーツの人々、芸能人に社長さん、自称、他称セレブリティが様々な物を持って来る。当然高価有名ブランドや愛着のある物だ。
ハンカチ、ネクタイからブラジャー、ショーツ、Tシャツからステテコ(ユニクロ)まで持参する。
シャネル、ベルサーチ、英国屋、麻布テーラー、フェラガモ、フェンディ、アルマーニなどなど、スーパーブランド品を持参する。

この人たちはほぼクレーマーである。正しくはクレームを楽しむ人である。
奥さんはまい日あのババア、あのヤロー、ブッ殺してやると思いながら笑って対応していた。
何よこれノリが効きすぎじゃない、何よこれエリがズレてんじゃない、何よこれボタンが凹んでるじゃない(もともと凹んでいる)、何だよノリはあまり効かせないでと言ったじゃないか(言ってない)、ズボンのラインが左右数ミリ違うじゃねぇか、まい日何よ、何だよの繰り返し、ん十万もしたブラウスよ、ん十万したスカーフだぜとガタガタクレームを言う。
スラックスのポケットにお金が入ってたでしょ(もともと入っていない)。

人間はどこまで我慢できるかの実験をする。
腹の中では、バカ、アホ、ハンカチ位自分でアイロンしろ、ブラジャーやショーツを出すなんて恥を知れ、赤、黒、ピンク、イエローの色キチガイと思う、Tバックなんてどうアイロンすんのと思う。

超有名ホテルは館内にクリーニング工場があるとか。
あんまり理不尽なことばかり言うババアを思い切りハリ倒してやめた娘がいたとか。
今度ぜひ白洋舎の人と仲良しになっていろんなクレーマーの話を聞きたいと思っている。

しかし世の中はバカ、アホのクレーマーばかりでなくバブリーな客も多いという。
コートやスーツを取りに来て、はいチップと一万円札を出すのも多いとか。
某芸能プロダクションの社長はチップをバンバン出すので超人気だったようだ。
クリーニングは自分でするか、ご近所に出しましょう。

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