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2017年2月9日木曜日

「田村啓選手の勝利」

東京新聞紙面より



私の枕元に一冊の本がある。
本の名は「心は折れない」日本ボクシング史上最強のスーパーフェザー級世界チャンピオン、内山高志選手の著作だ。

発刊当時KO勝ちを続けていた内山選手が「心は折れない」という本を出したことが、いかにも謙虚で人間性があると思った。
フツーの選手ならもっと攻撃的な本の題名をつけたはずだ。
内山選手の大ファンだった私は出版をプロデュースしていた広告代理店の社長にお願いしてポスターを制作させてもらった。

昨夜、東京新聞でこんな感動的な記事を読んだ。
「負け続けたボクサー8年ぶり勝利」の縦の小見出し、大見出しは横二行で、折れない34歳「やり切る」覚悟であった。ボクサーの名前は田村啓(ひろむ)選手、花形ジム所属だ。
昨年9月田村選手は8年ぶりに勝利した。
試合前まで10連敗中で戦績は6勝(2KO)23敗2分けであった。

元世界チャンピオンの花形進会長は、田村選手の勝利をジムで誕生した世界チャンピオンの時より喜んだという。
花形ジムのモットーは「継続は力なり」田村選手はそろそろ辞めてはといわれても「まだやり切っていない」と現役にこだわった。
2015年勤務先の会社が倒産、職を失った田村選手は先輩から「スポーツジムを手伝ってくれないか」と頼まれたのがボクシングとの出会いだった。
トレーナーとして多くの練習生を指導し、田村先生がんばれと応援されながらリングに上った。

記事には試合が何回戦(4回、6回、8回、10回が世界戦以外の回数)だったのか、体重のクラスが何級だったのかなどは書いていない。
日本ランカーのかませ犬だったとあるからノーランカーだったのだろう。
花形会長からオマエが日本ランカーや日本王者になったら良い手本になると声掛けられていたようだ。

田村選手は「1%の可能性があるなら目標にしたい」という。
また「僕は才能はないし、勝ち続けてきた人間でもない。大切なのは継続するだけでなく、やり切ること。僕は成長段階だと思う」と言う。
“かませ犬”とは強い選手が絶対勝てそうな相手として選び、キャリアアップさせる事を表す。

今年私の夢は大ファンの内山高志選手がもう一度リングに上がり勝利してほしいこと。
昨年の12月31日リターンマッチで惜敗した。
「心は折れない」を著した時の心を発揮してボクシングの教科書のような美しく強い姿を見せてほしい。クールでクレーバーな内山高志選手は未だ2敗しかしていない。

東京新聞より抜粋&アレンジ、コラムの題名は「取材ノート」、記者の名前は森合正範さんであった。久々にいいスポーツ記事を読んだ。
学歴なし、何くそチクショウ負けてたまるかと生きてきた私と、田村啓選手とがダブって見えた。人間勝つより負けるの方が勉強になる。

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