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2017年5月25日木曜日

「感度だ」




「ああ上野駅」昨日午後二時頃東海道線に乗り新橋で降りるはずであった。
品川駅まで列車内で新聞を読んでいた。
アッと思ったらそこは上野駅、いままでこんなことはない。
先日は湘南ライナーで小田原駅まで行ってしまった。シマッタのである。

通過した駅を戻るほど間の抜けた感覚はない。
不感症の女性とSEXした時のようなもので気分がぐんと下がるのだ(ずっとむかしの話)。妙な脱力感と徒労感が体を重くする。ああなんてこったと。

ああ上野駅は心の故郷と唄ったのは故井沢八郎であった。
かつて北の国から集団就職の少年少女たちが上野駅に降りた。
あるドキュメント番組で集団就職で東京に来た少年少女のその後を追っていた。
何十年振りかで上野駅に立つ老人たち。
功成り名を上げた者、ヤクザ者となって天下を取った者、一流の職人や料理人になった者、傷つき破れて身を崩した者、上野駅に降りた少年少女たちはそれぞれの故郷を思い出す。床屋さんの名人となった者は亡き父の髪を刈りたかったと涙する。

浅草のストリッパーになった女性は少女の頃母親との写真を胸に涙する。涙、涙。
♪~上野はおいらの心の駅だぁ~と口ずさみながら私は隣のホームに移動した。
何か気合が抜けていた。約三十分時間をロスした。この頃やけにロスが多い。
ミスにも気をつけねばならないと思った。
新橋の駅でいつものミックスジュース・レギュラーサイズ210円を買った。

世の中はすっかり諸事に不感症になっている。そんな姿をマグロという。
思考拒否状態でゴロン、ゴロンとしているのだ。
自分主義(ミーイズム)全盛となっていく。

このブログを書いているのは二十四日午前四時四分五十二秒、テレビではNHKで大相撲全取り組みをやっている(ほぼ毎日見る)。
明日地球が滅ぶとも木を植える、そんな言葉がある。
明日地球が滅ぶとも裸の男と男が大相撲を取っているだろう。
ハッケヨイ、ノコッタ、ノコッタ。

国民一人当たりの借金は850万位となった、ノコッテナイ。
この国は徳俵に足がかかっているのだ。
リベラルが結集することができないと土俵を割って出てしまうだろう。

また一つ原発再稼働が決まった。
少年少女の明日のために、大人は明日滅ぶとも木を植えねばならない。
私は自分主義の人間が大嫌いである(テメェー一人いい子になんじゃネエ)。
マグロ的ゴロン、ゴロン人間も。大事なのは感度だ。全身が海老反るような感度だ。
そんなものを作りたい。

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