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2017年9月14日木曜日

「返すからな」


私は100才の老人も、18才の少年も世のため、人のために尽くしている人を友人という、心から敬意を表し、ちゃんと敬語を使う。
その逆に、100才の老人も、18才の少年も悪い所業を重ねている者は、どこまでもゲスとして扱う。
相手がいくら甘言を使って近づいて来ても決して友人にはならない。
金の亡者には特に反感を持つ。
情けないヤツだと。
金でつかんだ友情関係などは決してない。
金で相手の関心を得ても、相手は腹の中では友情などかけらも持っていない。
金を出してくれる内はいい顔をするが陰では見下ろしている。
その金が出ないとなれば使い捨てのライターのようにポイと捨てられる。それ故むかしから友情を大切にするなら決して金銭の貸し借りはするなという。
金を出してくれている内は、◯◯さんというか、金が出ないとなれば◯◯のヤローとなってしまう。
人間はそんなもんなのである。
金の切れ目が縁の切れ目というが、正にその通りなので、相手に無視されたくない人は、陰で何を言われていようと金を出す。
だがこの関係がずっと続くことは100パーセントありえない。
必ず金を出した方が敗北感を味わうことになる。
屈辱感と脱力感を感じ、自らのコンプレックスがこの事を起こした事を知る。
借り逃げの相手は、次の金を出す人間を漁る。
夜な夜な酒盛りしてあいつからはもう引っ張れない、もともと◯◯だからなと言って可々大笑する。
長い人生の内で私はその両方をずっと見てきた。今、目の前に現れたらブッタ斬って肉ダルマにして海に捨ててやるという奴もいる。
又、今目の前に現れたら有り金を全部出して返したい人間もいる。
ヒロコちゃん、カズコちゃん、ずい分ツケをためてしまい払ってくれてありがとう。
今ならツケを支払うからなど日々思っている。
何!痴呆症だと、◯◯ママ、◯◯マスター。今ツケいくら残ってる、えっ、とっくにあの世に行っちゃった。
それでもあの世できっと利子をつけて払うからな。
と、バーのカウンターを叩く。
何!あのヤロー今でも人から金を借りてブイブイしてるだと。すぐに呼んで来い。
えっ!糖尿病で足を切断しているだと。
えっあいつはアルツハイマーで何も分からないってか。若かりし頃、バブルでワンサカ金を稼いで、バンバン芸能人やヤクザ者や一流会社、スポーツマンに金を出していた、金貸しタニマチ中毒のオッサンがいた。
ボクシングジムを持っていて世界チャンピオンも誕生した。
「あのなあ~金を貸す時ほど気持ちいいものはない。みんな土下座してこの俺にペコペコするんだ。ザマーミロという気分は最高だったな。」今は車椅子生活、鼻から酸素を吸っている。

上野であるホームレスの老人を見てハッと思った。
あのオッサンではないか?
友人とモデリイアニ展を見た後だった。
昼間から数人でたむろして酒盛りをしていた。
「オジサン、◯◯年前に◯◯にいなかったか」と聞いたら、でかい声で「知らねえ、あっち行け」と言われた。七年前のことである。
オッサンであれば数千億以上の借金を抱えているはずだ。
オッサンが金をバラまいた相手たちは今もマイクを握って歌っている。

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