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2017年11月16日木曜日

「友より本二冊」


友人から二冊の本が送られてきた。
一冊は一ヶ月前に頂いたのだが、あっち、こっち行く機会があり申し訳ないことに直ぐ読めなかった。
私は列車の中で本を読むことができない。文字に集中できないからだ。まして隣とか視界の中に、柿ピーとか、イカサキとか、うずら燻製とかでビールや缶チューハイをやられたら即アウトだ。
一冊は書き下ろしである、吉村喜彦氏著、愛妻の吉村有美子氏のプロデュースによるハルキ文庫からのシリーズ二作目である。バー・リバーサイド2「二子玉川物語」著者はかつてサントリーの宣伝部で活躍したクリエイターである。京都大学卒業だが、どこか国士舘とか拓殖大学系の武骨感がある。
私は洋酒系、カクテル系は全然無知である。
又、Barのマナーやルール、バーテンダーの奥深い知識もない、著者はラジオのパーソナリティーもやっている、いい話をしながらいい音楽をリスナーに届ける。
武骨感というのは、正義に燃えて悪を叩く根性があること、サントリー時代にたくさんの武勇伝を持つ、嫌いな奴は嫌いと実にハッキリとしている。
愛妻といえばファッションリーダーの如くで、私の表現力では書けない。しいて表現すると、インカのファッション、メキシコのファッション、アジアからユーラシア大陸が重ね着され、シャーマンのような装飾類がキラキラ感を演出する。とにかく仲が良いのだ。定期的に会って、他の個性的友人三人と飲み会をする。
ちょっとBarの知識をと思ったらこの一冊は必読だ。
本の内容は五話形式で構成されている。二子玉川にある大人の隠れ家のいい話と、いい酒と旨そうな食べ物の話。本体540円。もう一冊は一昨日に届いた。
敬愛するグラフィックデザイナー&タイポグラファー&絵画&イラストレーション、そしてクリエイティブディレクター&アートディレクター、日本を代表する人たちを代表する、人間国宝ともいえる葛西薫さんからの本だ。
私の指を目いっぱい広げた大きさ(ほぼ20センチ位)の四角形の本。袋を開けた瞬間に葛西薫氏の香りが薫る。三本露風賞を受賞した、島根の詩人、佐々木寿信氏の詩と葛西薫氏の絵が絶妙に出会っている。手紙には20年来の付き合いでいつかきっとを、ついにやっと世に出したとあった。葛西薫氏の活字、文字の大きさその位置、行がえの空間、全体を通し、ハラハラと風が舞うような、ユラユラと草木や空が揺れるような、この世の森羅万象が、サワサワと愚かな現代人を癒してくれる。
単純に図形化された絵の色づかいはやさしいヒトの心とでも言えようか。葛西薫氏はこの詩人にずっと励まされたと買いてあった。
辻堂~小田原~名古屋~飛騨高山へ総勢六人で日帰りで訪れて、ヘトヘトであったが、家に帰り本に救われた。葛西薫氏から届いた本は「遅日の記」詩佐々木寿信、画、葛西薫とあった。
ADPより出版、定価2,500円。ぜひオススメしたい。




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